リーマン効果 2009 2 15

 リーマン効果というと、何だか物理学の法則のような感じがしますが、
ここで取り上げるのは違います。
大統領選挙におけるリーマン効果です。
 リーマン破綻が起きるまで、
マケイン候補は、優勢だったと思います。
 ブッシュ前大統領が決断した大規模な作戦によって、
敗戦色濃厚だったイラク戦争が、好転したのです。
そこで、マケイン候補の人気も向上したのです。
 ところが、リーマン破綻で、アメリカ中が大騒ぎとなり、
アメリカ人は、すっかりイラク戦争のことを忘れてしまったのです。
イラクより、自分の資産や年金のことが心配になったのです。
 こうしたリーマン効果によって、
流れは、オバマ候補へ決定的なものになりました。
 ところで、なぜ、よりによって、
大統領選挙の年に、サブプライムという時限爆弾は爆発したのか。
そういう不満が、共和党から聞こえます。
 書名 リーマン恐慌
 著者 岩崎 日出俊  出版社 廣済堂出版
 もちろん、この本には、政治的なことは書いてありません。
純粋に経済的な、あるいは金融的な観点から書いてあります。
 しかし、政治面を除けば、多角的な視点から論じてあり、
またマスコミ報道から漏れたことも書いてあるという点で、
一読の価値があります。

産業資本 2009 1 4

書名 世界連鎖恐慌の犯人
著者 堀 紘一  PHP

 堀氏は、著書の中で、大いに怒っていますが、
こんなことを書くと、堀氏の怒りが頂点に達するかもしれません。
 この度の「金融危機」は、計画倒産だったかもしれない。
著書の中で、一般の人にもわかりやすく金融危機を説明している、
堀氏ならば、そう思うようになるでしょう。
 時限爆弾付きの金融商品だった。
サブプライムローンは、最初の2年は、
非常に低い金利、あるいは金利のみの返済だったのです。
そうすると、3年後には破綻の時を迎えることは、
誰でもわかっていたでしょう。
すでにアメリカの不動産市況は、2006年には頭打ちになっていたのです。
こうしたことは、ウォール街のエリートは知っていたはずです。
そして、ウォール街のCEOは、年間で1億ドルの報酬を得ていた。
1億円ではありません。1億ドルです。
堀氏は、怒りが続くならば、続編を書いたら、どうでしょうか。
 さて、同氏は、著書の中で、
「金融資本から産業資本へ」と主張しています。
 しかし、私は、金融資本と産業資本の二本立てを考えています。
金融資本は、この度の金融危機で、壊滅的な状態で、ピンチの時を迎えています。
ここで、日本は、金融危機と、それを作り出した金融技術を分析して、
使えるものは、再利用すべきだと思います。
欧米が作った金融技術を、日本で分析して、日本が再利用する。
こういうことは、日本が得意とするところでしょう。
 つまり、この度の金融危機で、
欧米が休んでいる間に、日本は、産業資本と金融資本を強化すべきでしょう。
ピンチの時は、チャンス。




























































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